白井美穂 Mio SHIRAI
美術作家。彫刻、絵画、映像、写真などによる制作を通して境界概念をめぐる既存の枠組みを解体し、知覚に新たな時間と空間の編成作用をもたらすことを試みている。1962年京都に生まれ、7歳時より東京在住。1986年東京藝術大学美術学部絵画科卒業、1988年同大学院美術研究科修士課程修了。1993年から2006年までニューヨークに在住し、現在東京在住。その作品は国内外で幅広く発表されている。近年の個展に2023-2024年「森の空き地」府中市美術館、東京、2024年 「千葉市美術館コレクション選 特集 白井美穂」千葉市美術館。主なグループ展に2020年「佐賀町エキジビット・スペース1983 – 2000 現代美術の定点観測」 群馬県立近代美術館、2019年「地球・爆 Earth Attack ー 10人の画家による大共作展」愛知県美術館、2018年「絵画の現在」府中市美術館、2013年「あいちトリエンナーレ」愛知県美術館、「瀬戸内国際芸術祭」宇野港 岡山、2008年「アーティスト・ファイル 現代の作家たち」国立新美術館、1991年「ザ・サイレント・パッション 日本の女性アーティストたち」栃木県立美術館、「第7回インド・トリエンナーレ」Lalit Kala Academi ニューデリー 等。作品は東京国立近代美術館、東京都現代美術館、千葉市美術館、府中市美術館などに収蔵されている。
白井美穂の作品は、人間における関係性についての進行形の問題を探究する試みであり、環境の自然の側面と人工的側面、さらにそれらの動的な境界や、自然の形態と文明社会の日常的な象徴との交換可能な過程について探るものである。そのアプローチは同様に、普遍的な力学を見つめるための組織的方法論を包含している–––個人あるいは内的な世界と、公的な自己や他者との関係を、交代させたり転倒させたりすることによって。オブジェはこれらの様々な通俗的様相を超越するための境界面として存在することが出来る。